第一章 静かな雲

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 校門の前でそうしていたので、自然下校する小学生の注目の的になってしまった。でも、何かが違う。 (…?)  真剣に違和感の原因を突き止めようとウンウン唸る楓の肩を、ぽんぽんと叩く者がいた。振り向くと、人当たりのよい笑顔。 「――江口 楓さん…ですね?」
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