れっつ文化祭

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「ちょっ!痛いから手を放してくれ!」 「いーから早く来なさいよ!時間ないんだから!!」 さっきのアレは夢だったんだろうか………。 幸が笑顔で、痛みに苦しむ俺を引きずっている。 そして着いたのは手芸部の教室。 ここでは手作りのぬいぐるみを売っていて中々好評のようだ。 「ほら、こっちよ。」 と俺は椅子に座らされた。 目の前には猫のぬいぐるみがあり、一通り幸がいじった後 「これをさらにアンタがアレンジしなさい。」 とのこと。 口答えしても無駄だろうから、素直に俺なりにぬいぐるみに色々手を加えてみた。 「………何故だ……。」 ………うん、まあ途中までは文句なしに猫だったんだが、調子にのって角と羽をつけてみたら未知の生物兵器と化してしまった。 まさに蛇足だ。 「ふぅん………中々かわいいじゃない。あ、お金はアンタが払ってよね。」 幸はそう言って、生物兵器と化した猫を大事そうに自分のかばんに入れてしまった。 …………これがかわいいだと………? 本人に色々と言ってみたが、全て見事にスルーされた。 そしてそんなことをしていると、もう他を寄る時間も無くなってしまったので教室に戻ることにした。 「これはどう見てもかわいいじゃない。」 「いやいやいや!自分で作っておいてこんなことを言うのもなんだけど、明らかにそれは単なる化け物だろ!」 「どこがよ……。アンタ、作るセンスはいいのに何で感性はおかしいのよ。」 「いや、絶対お前が--!」 「いやいや、-----!」 「----!」 「いらっしゃいませー。好きな人と一緒に作ると恋が叶うかも!?の、手芸部のぬいぐるみコーナーはどうですかー?」
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