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革命の夜
何かを始めなければ終わってしまうと思っていたのだとしたら、それは間違っていた。あの時、何も終わろうとなどしていなかったし、ましてや僕たちに何かを始められていたはずなどがなかったのだ。すべてはただ始まったに過ぎず、ただ流れてゆくに過ぎないのだから、そこに立てようとした旗がはためかずに燃え尽きたのは、必然と呼ぶべき結果であったのだ。もしもその必然に理由があるのだとしたら、それはひとえに僕らの愚かしさに他ならない。何かを始めるのはいつも愚者ではあるけれど、愚者はその愚かしさゆえに、愚者であり続けられない。だから僕らは何ひとつ、始められなかったのだ。
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