EP.000:Prologue~出逢い~

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そうして終わった入学式。これからは各クラス毎に分かれてHRを行うらしい。 確かクラス分けの掲示は体育館の入り口付近でするっていってたな。 人混みをかき分け、掲示板の前へ。自分の番号と照らし合わせクラスを確認。 …………あった。 「三組か」 特に何組だろうが変わりはないんだけど。 俺達のクラスはどうなんだろう。楽しい人や真面目な人、面白い人とかいろいろな性格の人がいるだろうけど、皆と仲良くやっていけたらいいな。 とても広い学園ではあるが、体育館と校舎は結構近かった。 すぐに自分の教室に着き、席に座った。 一番後ろで、窓際の一個隣。結構いい席だな。 周りは既に結構な人数がいて、話したり、本を読んだりと各々で時間を潰しているみたいだった。 HRが始まるまで後五分程度。手持ちぶさただ。暇を潰せるような物もないし、話す友達もまだ出来ていない。 仕方なしに周りの皆の様子をぼんやりと眺めていた。 それにしても皆個性的だな。真面目そうな人や賑やかそうな人。子供みたいに無邪気な人もいるかと思えばまるで何歳も年上な雰囲気を醸す人もいる。 まだ先入観だけで本質は分からないけど、なんだかんだ面白そうなクラスみたい。 ふと、隣に座る一人の女性に目が行った。外を眺め、ただボーッとしているように見える。 けどその横顔は懐かしい感じがする。 何でもないようだけど、自分には何かを思い出させるような、不思議な感じ。 「ほら、皆着席ー」 そんな思いを巡らせていると、ガラガラとドアを開け、先生が入ってきた。 なんか若いけど、ダルそうにしてて面倒みたいなオーラが出てる、男性教員だった。 「えー、今日から一年三組の担任をさせていただく、高橋俊輔(たかはししゅんすけ)です。教科は数学、分からない事があれば何でも聞きに来てくれ。それじゃあ────」 自己紹介を済ませるとすぐに校則について話し始めた。 何とも怠惰である。そんなのって別に生徒手帳にでも載ってるし、説明しなくてもいいと思うけど。
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