EP.000:Prologue~出逢い~

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「……とまぁこの学校はこんな感じだ。他にもいろいろあるんだが、そんなこといっぺんに言っても分からないだろうから説明は終わりだ」 なんとも適当な説明だなってのが正直な感想。だからってこのまま説明を続けられても困ったもんだけど。 先生の話が終わると同時に、チャイムが鳴り響いた。 「おっと。キリがいいとこでチャイムもなったし、HRはここまでだ。取り敢えず今日はこれで終わり。明日は新入生歓迎会とかレクリエーションとかあるから、授業は来週からになる。今週は授業ないから、その分予習に回すように。」 最後の言葉で、ガッツポーズやため息をつく姿が広がる。 入学式はこれで終わりか。結構あっさりだったな。 「じゃあ号令は君が取り敢えずしてくれ。クラス役割が決まるまで頼むな?」 そうしてHRも終了した。周りは友達同士で帰路の予定を立てたり、部活見学をしようとしたりと、早速楽しもうとしているみたいだ。 俺も学校探検でもしてみるかな。こんな広い学校だ。何か面白い事の1つや2つは転がって…… 「おーい橘、ちょっと職員室まで来てくれないか?」 とまあどっかの小説で出てきそうな普通の高校生が、日々の自堕落を打ち消そうと面白遭遇に出会うために何かを目論むような思考を頭に浮かべていた所、先生から直々にお呼びがかかりましたわ。 なんにもすることないし、別についていっても構わないんだけど、まさか入学式早々から説教なんてことはないよな。 別に悪いことしてなくたって、先生に呼び出されたらそういうことを思い浮かべるのは反射だと思うのは俺だけではないはず。 妙な緊張感を胸に、先生と共に職員室へ向かった。
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