EP.000:Prologue~出逢い~

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「……俺が生徒会ですか!?」 職員室中に響く声を発してしまったとちょっと後悔。先生の目線が突き刺さるのを感じるんだけど。 にしても職員室につくなりそんな大事な話をいきなりするってのはどうかと思うんだけど。 「まぁまぁ、そんな驚くなって。うちの生徒会は少しばかり特殊でな。各学年ごとに5人以上集める事になってるんだ」 「はぁ……」 「ただえさえだだっ広いこの学校だから、生徒会の人数も結構必要なんだよ。それぞれ管轄を与えられ、そのエリアの風紀を整える。それが生徒会の主な仕事だな。 だからって誰でもいいわけじゃないんだ。成績や過去の内申、その他もろもろを考慮して橘に頼んでんだ」 「…………」 そんなこと急に言われたって困ります! だなんて言えない。真剣に頼まれてるのに、それを無下にだなんて俺には…… でも、入学早々生徒会役員になれって言われてもそんな大事なことを簡単にはい分かりましただなんて言えないし…… 「少し、考えさせてもらえませんか?」 1日だけでも考える猶予が欲しい。 先生は溜め息混じりに笑みを浮かべた。 「分かった。いきなりいってすまんな。いい返事が聞けることを祈ってるよ」 「……失礼しました」 バタンと音と共に、職員室を後にした。 なんだかなぁ。生徒会ってなんだか大変そうだし、いまいち乗り気じゃないんだけど。 今日はもう探検なんて止めだ。真っ直ぐ家に帰る。 「……そういや帰りに晩御飯の食材を姉さんに頼まれてたんだった」 訂正。スーパーに寄り道して帰ろう。なんとも怠惰だ……と言いたい所だけど。今日は入学祝いとかなんとかで豪勢な食事を──とかなんとか言ってたし、楽しみだな。 そんなたくさんの期待と想像を膨らませながら、帰路についた。
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