荒涼

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さらさらと抜け落ちる砂を掬い 何も残らぬ手の平にふと頬が緩む 緑豊かな大地は砂に取って代わられ 水気を帯びぬ大地は歩く度にザクリと音を立てる 何も求めぬはずの手は砂を掬い 己の愚かさに口元を歪める 何かを求め全てを拒絶し 立ち止まっては砂を掬う 全てを疑いながら 全てを拒絶しながら 何も残らぬ手の平に安堵する
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