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「ええやないですか
聞いてるだけやし
なぁ、葵チャン」
と、秀行が言い訳をして
葵は、にっこりしながら
「普通に、欲しいって思いますよ」
そう答えた
「葵チャンみたいに可愛いかったら、モテたやろ?」
「そんな事無いですよぉ
女子高やったから、周りは女ばっかしで
学校終わったら店の手伝いしてたから、あんまり遊びにも行かんかったし
友達が紹介したろって言ってくれたりもしたんですけど
なんか、そういうの苦手で…」
「店って?」
秀行の問いには
「葵ちゃんのお父さんが、洋食のお店やってるねん」
と、美里が答えた
「そうなんや、エライなぁ」
「そんな事無いですよ
料理するの好きやし
小さい時から手伝ってたから嫌や無いんです
けど、手伝いは手伝いやから、お給料出ぇへんし
せやから、ここでバイトさせて貰う事になったんです」
「葵ちゃんかて、お小遣いくらいは欲しいもんな」
と、美里がニッコリしながら言い
「もう卒業したんやから、自分のお小遣いくらいは自分で稼ごうと思って」
と、美里の言葉に答えた
「葵ちゃん、気ぃつけや
秀は女ったらしやさかい」
「美里さん
何言うんですかッ?!
人聞き悪いなぁ」
「せやかて、その通りやもんなぁ」
「そうなんですか?」
声は美里に向いていたが、視線は秀行に向いている
好奇心満載の表情が浮かんでいる
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