391人が本棚に入れています
本棚に追加
母と一緒に、時々出掛けた美里の家
そこには、小さな…
けれど、葵よりは少し年上の男の子が居た
峻というその男の子は、ちょっと意地悪な時もあるけれど
葵が、その意地悪で泣きそうになると、玩具を貸してくれた
淡い恋心は、そんな幼い生まれたのだろう
小学生の時には、峻は友達との時間が増えて、葵が会う事は少なくなった
夏祭りがあって、『行きたい』と駄々をこねると
父は店が忙しく、母は体調がおもわしく無く
諦めようとした時に、たまたまその事を知った美里が峻に
「一緒に行ってあげて」
と、言ってくれた
本当なら友達と行きたかっただろう…
流石の葵にも、それぐらいの事は判った
けれど、「いい」って言えず
きっと嫌がられて、諦める事になると思っていた時
何も言わずに、一緒に行ってくれた
「何やぁ、峻
彼女と一緒かぁ?」
と、友達にからかわれても
「うるさいなぁ」
そう言っただけで、その後も一緒に居てくれた
嬉しかったけれど、気まずくて
嫌われそうで、不安になったけれど
一緒に居られる事が嬉しくて
少しでも峻に笑顔が浮かぶと、もの凄くホッとして
それが、葵の峻に対する
『初恋』を確かなものにした
最初のコメントを投稿しよう!