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「まぁ、そうかも知れんけど
峻にかっさらわれてからやったら、遅いんやからな
けど、お前の方が近くに居てるんやから、有利やんけ
まぁ、頑張れ」
秀行は、落ち込み気味な基喜が少し可愛そうになり、そう言ったが
基喜は励まされても、思い切るような気にはなれなかった
葵が事務所に入ると、美里が居た
「ただいま」
「お帰り
ありがとなぁ」
「いえいえ
美里さん
峻ちゃんに会ったんです」
そう言う葵の言葉に、美里は驚いた
「峻に?どこで?」
「郵便局の前です
仕事中だったみたいで、郵便局から出て来たら、基喜くんと話してました」
「元気そうやった?」
「はい 近いうちに来ると思いますよ」
「峻が?」
「はい、誘っておきました」
美里は複雑な表情をしていた
「帰って来て、兄ちゃんとモメんかったらええけどな…
まぁ、峻ももう大人やし
大丈夫やと思うけど
あの二人がモメ出したら面倒くさいねん
ほんま、似たもの親子やで」
そう、苦笑いする美里
「大丈夫ですよ、峻ちゃんかて
ちゃんと仕事してる社会人やし
きっと大丈夫です」
「そやったらええけどなぁ」
そう言う美里は、耕介との事を心配しながらも、久しぶりに会える事を喜んでいるのが判った
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