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「あんたら何やってんのっ
はよ片付けやな
社長にどやされるで!!」
2人は一瞬固まり
「はいっ」
と同時に返事をすると
片付けを始めた
その様子を見ていた葵が
楽しそうに笑っていて
基喜はその笑顔に、手が止まり
見つめる基喜の視線に葵も気付き、2人の目が合った
何となくお互いに何かを感じていた
それが何かは判らなかった
葵は、すぐに目を離して仕事に戻り
その様子もつい見つめてしまっている基喜に秀行が
「なんや?お前
あの子好みか?」
その言葉に我に返った基喜が
「そんなんちゃいますよ!」
と、答えながら
就職してからは、必死になって
ちゃんと付き合った女性も居なかった基喜が、葵に興味を持ったのも事実だった
「口説けやぁ
ええやんけ、頑張れや
俺は諦めたるさかい
彼女居らんやろ
毎日独りで悶々としてるのも虚しいやろ」
と、ニヤリとする秀行
「秀さんかて、美里さんの知り合いやからアカン言うてたやないですか
俺かて、あきませんやん」
「せやなぁ…お前やと
美里さんも心配やろしな」
その秀行の言葉に
「言う事、コロコロ変えんといて下さいよ…」
と、応援してくれるかも…
などと、つい考えてしまった基喜はガックリしていた
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