78人が本棚に入れています
本棚に追加
/226ページ
2月
寒さも和らいできた大学のカフェテラス。
メールを打つ智樹の横で、悠太はコーヒーを飲む。
「悠太、今夜暇か?」
「ん~。どうでもいい用事は入ってるけど、たいしたことないかな?」
「泊まりに来いよ、例のアレ見せてやるぜ。」
智樹は、打ちかけのメールを悠太に見せる。
画面には、歯の浮くようなセリフが並べられている。
「栞(しおり)かあ。どんな女だよ?」
「外見はまあまあ、開けたら上々、でも、オレとしてはイマイチだな。」
智樹は、悪戯っぽく笑う。
ぱっちりした二重に長いまつげ、笑いかけるだけで、だいたいの女が落ちる。
裏側の鬼畜さも知らないで。。。
「開けたら上々なんだろ?何がイマイチなのさ?」
「んー。引き際が下手なんだよな。こいつ。」
携帯を置く。
「あーあ。またその気にさせといて、捨てるんだな。」
悠太は、椅子にふんぞりかえって智樹を見る。
「まだ、すぐには捨てないよ。後がまが居ないから。」
ニヤリと笑う。
「智樹ってさ、女が途切れないよな~。不思議に。」
「オレは、女が途切れまくりの悠太の方が不思議だけどな。
ま、後で連絡するよ。じゃあな。」
智樹は立ち去る。
最初のコメントを投稿しよう!