春先の企み

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2月 寒さも和らいできた大学のカフェテラス。 メールを打つ智樹の横で、悠太はコーヒーを飲む。 「悠太、今夜暇か?」 「ん~。どうでもいい用事は入ってるけど、たいしたことないかな?」 「泊まりに来いよ、例のアレ見せてやるぜ。」 智樹は、打ちかけのメールを悠太に見せる。 画面には、歯の浮くようなセリフが並べられている。 「栞(しおり)かあ。どんな女だよ?」 「外見はまあまあ、開けたら上々、でも、オレとしてはイマイチだな。」 智樹は、悪戯っぽく笑う。 ぱっちりした二重に長いまつげ、笑いかけるだけで、だいたいの女が落ちる。 裏側の鬼畜さも知らないで。。。 「開けたら上々なんだろ?何がイマイチなのさ?」 「んー。引き際が下手なんだよな。こいつ。」 携帯を置く。 「あーあ。またその気にさせといて、捨てるんだな。」 悠太は、椅子にふんぞりかえって智樹を見る。 「まだ、すぐには捨てないよ。後がまが居ないから。」 ニヤリと笑う。 「智樹ってさ、女が途切れないよな~。不思議に。」 「オレは、女が途切れまくりの悠太の方が不思議だけどな。 ま、後で連絡するよ。じゃあな。」 智樹は立ち去る。
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