覆水盆に返る。

6/13
78人が本棚に入れています
本棚に追加
/226ページ
秋のある日、常務はメイドと共に出かけることになる。 「悠太くん、栞ちゃんの事を頼んだぞ!」 「はい。」 「じゃあね。栞ちゃん。」 「はい。行ってらっしゃい。」 常務とメイドが出かけていく。 「さて、リハビリから片付けるか?」 悠太は車椅子の栞をリビングに連れてくる。 「うん。」 栞は膝掛けをたたむ。 「早く車椅子を卒業しないとね(笑)」 「悠太さん、車椅子を卒業したら、お願い聞いてくれる?」 「ん。いいよ。何?」 栞の足をマッサージしながら聞く。 「……去年約束した、旅行に行きたいな。。。」 「旅行かぁ………。」 「私、一緒に歩けるように頑張るから!」 「あんまり無理すんなよ?」 「うん。」 「ゆっくりでいいからね?オレは、ずっといるから。」 「うん。」 悠太は栞を立たせる。 「さて、始めるぞ。」 「うん。」
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!