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昼休み
また校庭の木の下でパンを食べてる金倉君。
家がお金持ちなのになんでパン食べてるんだろう……
お昼は友華とは食べないから、お弁当一つ食べた後、おかわり用の弁当を持って校庭に出てきた。
金倉君の近くに座ってみた。
金倉君はこちらに気付いたけれど、知らん顔で居眠りを始める。
勇気を出して肩を叩いてみた。
「!?」
過剰なまでの反応で金倉君は飛び起きた。
「飴のお礼」
そう言って弁当を突き出した。
「………嫌み!?」
睨み返された。でもそんなの慣れてる。
「違うよ。でも私はもう要らないし、お母さんの弁当は美味しいから。良かったら食べてよ」
菜々子にしてみたら断腸の思いで差し出した弁当だ。
何しろいつもの半分。毎日楽しみにしているお弁当。
でもだからこそ金倉君に食べて欲しいと思った。
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