王子と豚

2/4
前へ
/216ページ
次へ
次の日、いつもより少し多めに弁当を作ってもらった菜々子。   今朝の電車で渡すと捨てられても困るので、やはり昼休みを狙った。   昨日と同じく校庭の木の下にいる金倉君に、今日も弁当を突きつけた。 大丈夫。今日は昨日より食べてるから。   「お腹空くよ!?」   そう言う金倉君に「今日はお腹いっぱいだから」と少し嘘をついた。   困った顔の金倉君。   ここまで来て2日連続敗退するわけにはいかない。   菜々子は弁当を開けて、驚く金倉君の口に卵焼きを押し込んだ!   「美味しいんだから食べよう!!」   自分の行動にもかなりびっくりしたが、それ以上に金倉君もびっくりしていた。   「………おいしい」   「でしょ!?食べてね」   「………ありがとう」   そう言うと素直に弁当を食べ始めた。   菜々子は少し離れて座って嬉しそうに見つめていた。
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2410人が本棚に入れています
本棚に追加