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外は雨が降っていた。 気温は温かかったが、日本の梅雨のようなしとしとといつまでも続くような雨だった。 晴れていればビーチにでも散歩に行ってみるのにな……。 窓の外から途切れることなく走り続けるバス通りを走る車の流れを見ながら、そんなことを考えていた。 空を見上げると、聳え立つ岩山に厚い霧のような雲が覆っていた。 こりゃ当分止まないな……。 そう思いながら、僕はポルトガル語が流れるニュース番組を横目で見ながら、真っ白なシーツのベッドに倒れこんだ。 ニュースでは夥しい血痕の染み付いた道路や、現場検証をする警官の姿が映っていた。 そんなものを見てもやっぱりブラジルは事件が多いのかな? などとなんとなく考えていた。 心のどこかでは自分が事件に巻き込まれることなどまずありえないと無意識に思っていたのかもしれない……。 部屋の冷房が異様に効きすぎていて、僕はセーフティーボックスの横にあった毛布を引っ張り出してきて、うとうととうたた寝をしていた。
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