走り出せ、俺達

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「すまねえな、キッシー。電話の時、ノブが死んだのはお前のせいだって言っちまった。あれは俺さ。最後にノブを裏切ったのは俺だったのさ」 オカジマは顔をあげ、まっすぐこちらを見据えて言う。 俺はそれを受け止めつつも、軽く笑っていなす。 「バーカ。格好つけてんじゃねえぞお前」 「そうだよ。何もかも自分で背負い込んでるつもりかよ」 脇からリョータが口を挟む。 その通りだ。 現にオカジマは、ノブが死んだのはノブの理由だとも言った。 あいつは死んだ。 それは揺るぎない事実だけど、それそのものを自分と関連付けてしまうのはおかしい。 「まあ、こうやってバンドを再結成しちまったんだ。ノブ云々なんて話は避けて通れないのかもしれない」 リョータとオカジマ。 俺は二人を見る。 だったらいいじゃねえか、それで。 逝っちまった奴の事をいつまでも話しても寂しさが紛れる訳でもない。 それでも、バンドやってる時くらいは、一緒にやっててもいいだろう。 ハハッ。 言うなりオカジマが軽く笑う。 「確かに。いいな、それ」
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