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「練習中は遺影でもかざってやるか」
リョータが茶々を入れる。
「それこそ化けて出るんじゃねえか。俺が歌うんだよ、とか言って」
ふざけて俺も乗る。
あの頃。
いつも四人だった俺達。
こんなくだらない会話を毎日繰り返し、他愛もないことで盛り上がり。
音楽は切っ掛けだったのかもな。
離れていても、絆はこうしてある。
俺達は、仲間だ。
ところでな。
ひとしきり話し込んだ後、俺は身を乗り出して話し出す。
「今日の練習は酷かったぞ。次はお前らちゃんと準備してこいよ」
そう言ったとたん二人の表情が変わる。
だからそれはな…
それこそお前がな…
やっぱり音楽か。
俺達を繋ぐのは、イマイチ噛み合わないこの不協和音のメロディーだった。
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