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日時はこれから詰めていきゃあいいんだが、とりあえず行くか行かねえか聞いときたくてよ。
墓参りのついでにな、ノブのおばちゃんが俺たちに会いたいって言ってるんだ。
ん?
どゆこと?
何か話が意外な方向へ。
俺はユキヒロが続ける言葉を待った。
ノブが死んだって事の気持ちが落ち着いてきた辺りからな、なんかあいつの墓参りがしてえって思ってきてよ、ちょっと前にノブのおばちゃんに相談したら快く場所教えてくれてな。
そんで、ついでに家に寄ってきてって。
バンドやってた仲間もみんな連れておいでって言うんだよ。
そういう事ね。
ノブの実家には何度もみんなで行ったことがある。
世話好きのおばちゃんがいつも快く迎えてくれて、まるで自分の家に帰ったかのような気持ちになる。
思い出すなあ。
必要以上に俺たちに絡んできたがってたおばちゃん。
それに対し、面倒臭そうに悪態をつていたノブ。
でも事あるごとに実家に俺たちを誘ったノブの様子からして、家族の仲は、本当によかったんだろうと思う。
おばちゃん、悲しんだんだろうな。
引き出される記憶と共に、そんな想いが巡った。
あれから3年経ってるんだ。
おばちゃん達家族も気持ちの整理がつく頃なのかな。
そんなおりに俺たちから連絡があったというのも何かの縁なのだろう。
「問題ねえよ。そういうことなら」
俺は快諾した。
そうか、と。
そう言うユキヒロの笑顔も想像できる。
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