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「ねぇいつまで笑ってんの?」
「俺も薫の声嫌いじゃないよ」
「うん知ってる」
「いやっ知らねえだろ?」
「な‥にを?」
「俺が好きな音のこと‥」
薫それは俺にしか聞こえないんだよ
ゲームの時悔しがる音
メンバーをからかって笑う音
バックステで聞くピアノの伴奏に乗って漏れ聞こえる切なく艶やかな音
耳元で俺の名前を囁く音
躯から発せられるすべての音音音
その音に心が震え愛しくて仕方がないことを薫は知らないだろ
「なんだよ?教えろよ」
「薫は知らなくていいよ俺だけのもんだから‥」
「はぁ?もっ面倒くさいなぁ」
「そうだよ面倒臭いの出逢った時から知ってんでしょ」
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