第一話~in 異世界~

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 ここに来るまでに聞いた村人達の会話や自分が話し掛けられた言葉をできるだけ事細かに思いだし、記憶した文字や語彙と照らし合わせていく。  やっぱり初めて見る文字に、初めて聞く言語だ。今まで接してきた言語とは一線を画している。  はぁ……と溜息を吐き出す。  だいたいは予想していた。だが決め付けると違った時に落胆する。だから違うと自分自身に言い聞かせていた。  でももう断言できる。  ボブのような巨大な狼。様々な髪の色をした村人達から放たれた炎や水。そして見たことも聞いたこともない言語。 「異世界、か…………」  その事実をどこか他人事のように冷静に受け止めている自分がいた。
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