君がいた夏

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インタビューの時、 司会者が俺に言った。 「予選の決勝で背負っていた女の子は亡くなられたと聞いたのですが、本戦で一緒にベースを回られたのは?」 『俺の亡くなった彼女です。』 お前のように 俺は力強く微笑んだ。 「そうだったんですか…。彼女さん、きっと今幸せでしょうね!さあ、最後に彼女さんにメッセージを!!」 突然の司会者のふりに 少し驚いたけど 伝えたかったことを言った。 マイクなら、少しでもお前に届くと思った。 『約束、果たせた!! お前を甲子園に連れてくことも、お前を背負ってベースを回ることも。 だから、今度はお前が約束しろ!! 生まれ変わったらまた甲子園に連れてってやるから、 俺を忘れないでください!! 俺は忘れないから!! だから また会おう!!』 必ず。 お前と見た空に向かって 泣きながら 笑いながら叫んだ なあ……… 伝わったか………?
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