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「意味はある。ほのかと高校三年一緒なんて楽しいだろ?」
いっちゃんは偉そうにそう言った。いつだって偉そうだけど。呆れて物も言えない。そんな事のために帰国したって言うの?
私が口をパクパクと空振りさせていると、紗英ちゃんがようやく口を挟んだ。
「一哉、久しぶり。まだほのかの事諦めてなかったんだ」
「お。紗英もいたのか」
「相変わらず、ほのかしか視界に入らないのはお見事だけどしつこい男は嫌われるよ」
「俺がほのかに嫌われるはずがない」
うん。嫌いじゃないよ、いっちゃんの事。ただ、好きでもないだけで……。
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