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私がほっと胸をなで下ろすといっちゃんは真っ黒な微笑を浮かべた。
「真山だったら二度とメールして来ないから安心しろ」
「え?」
「さっき、俺んとこに謝りにきたぞ。本上くんの婚約者とは知らず、池上さんとメル友になってすいませんって、父親の会社の事をやたらと心配してたなあ。大口の取引先が本上の関連会社じゃあ、そりゃあ慌てるよな」
私は膝からガックリ力が抜けた。真山先輩……。そんなあ……。これから、何か始まりそうな気がしてたのに。
「いっちゃんのバカ!」
私は紗英ちゃんまで置いて一人で教室まで走った。
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