帰還は陰謀の香りと共に

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「いっちゃん相手に怯まないのってそう言う男なんでしょ。もう私行くね」 「行くってどこに?」 「SEASONS!!」 ほのかはそういい捨てて、自分の鞄を掴むと振り返りもせずに飛び出した。 何なんだアイツ。何考えてんだ? まあ、大丈夫だろ。無理に決まってる。 そう思いながらも、ほのかが助けを求めたのが、母さんだという事実は俺に一抹の不安を抱かせた。 母さんなら、獣道並に歩きにくいほのかの逃げ道を高速道路に変えることだって可能かもしれない。 でも、母さんがそこまでするはずがない。ほのかは俺のご褒美。そう言っていたのは他ならぬ母さんなんだから。
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