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お母さんはかっちりと一筋も乱れず結い上げた夜会巻きに少し手をやってからエプロンを外してスーツのジャケットを着た。
自分の母親ながらカッコイイ。
「ほのか、ホントにいいの? 入学式いかなくて」
「うん。もう子どもじゃないから大丈夫だよ。入学準備とかで、散々休ませちゃったしそれに麻衣子ちゃんが来てくれるんでしょ」
「麻衣子は来るって言うか……。あそこの理事長だからね」
お母さんの親友の麻衣子ちゃんはお母さんの「SEASONS」と言う通信販売の会社を二人で立ち上げたんだけど、麻衣子ちゃんのお家は資産家で沢山の会社を経営している。
今はその沢山ある会社の頂点にいるのが麻衣子ちゃんなので「SEASONS」の運営はほとんどお母さんがしているんだけど。
麻衣子ちゃんは赤ちゃんの頃から私の事を知っていて、もう一人のお母さんみたいな存在だ。
その麻衣子ちゃんが一年前に私立の学校の理事長になった。
「制服変えるのよ。ねえ、ほのかちゃんもうちの学校受験したら? うふふ」
麻衣子ちゃんの言う通り、この制服はかわいかった。私のどストライクだった。
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