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フォルテ「よっしゃ、行ってくるぜ」
片腕を立ててフェイトに手を振るフォルテ。
お手並み拝見。ランドがあれだけ出来るんなら、コイツにも期待しても大丈夫だろう。
………。
フォルテ「………なんだ、コイツ」
と、間抜けな声で目の前の魔法生物と対峙する。
…ハッキリ言って非常に弱そうである。
フォルテ「学園長!こんなのじゃ一瞬で終わっちまうよ!」
学園長に抗議するフォルテ。だが…
教員「静かになさい!君の相手はこのスライムだ!」
審判の教員に阻まれた。
そう、相手はスライム。ドラゴンク〇ストとかで有名な、あのスライム。
しかし、当の学園長は…
学園長「そう言うな、フォルテよ!そのスライムはオヌシ用に特別用意したモノじゃ!」
フォルテ「そうなの?…わかった」
渋々と納得したフォルテ。
審判「開始!」
その合図で試合が始まった。
フォルテ「…ったく、なんでスライムなんだよ~」
自分の背の丈半分くらいのスライムに向かって走るフォルテ。
そして懐に潜って斬り付けようとした瞬間…
フォルテ「………へ?」
スライムがくぱっと音を立て、フォルテを包むように裂けた。
フォルテ「はっ!」
フォルテが振り上げた剣は、見事に標的を切断したが、それも一時的なもので、すぐに元に戻った。
フォルテ「うわっ!」
飲まれそうになったフォルテは急いで身をかわし、すれ違うようにスライムを遠ざけた。
フォルテ「つ、強いじゃんか」
確かに普通のスライムとは桁が違う。
頭がいい。恐らく爆発系の魔術で一気に破砕しなくてはならないだろう。
フォルテ「厄介だな~」
フォルテは魔術が使えない。
さぁ、どう戦うか。
フォルテ「とりあえず突っ込め!」
何度も何度も、数えきれないほどの素早い斬撃を叩き込む。
フォルテ「でりゃでりゃでりゃでりゃぁああ!」
フォルテ「…吹き飛べ!」
ドォォッ!
フォルテの掌から閃光が放たれた。
フェイト「!」
なんだ今のは…魔術じゃない。
今の魔術に詠唱は無かった。
いや、そもそもマナ(精霊)の集束を感じなかった。
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