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フェイト「ルゥ………?」
コイツに似合った、可愛らしい響き。
正直、文句はない。
これ以上ないくらい、ピッタリな名前。
ステラ「どうですか?」
嬉しそうに、楽しそうにルゥを頬に擦り寄せ、笑顔で聞いてくるステラ。
フェイト「い、いいんじゃ、ないか…?」
不覚にも、少しだけ…可愛いと思ってしまった。
ステラの事はよく知らない。
知り合って間もないから、話をしたのも片手で数えられる程度。
しかし、ステラがこんなふうに笑うっていうのは
滅多にない事なんじゃないだろうか。
ステラ「今日からあなたはルゥですわ!」
ルゥ「みゅ?」
一度首を傾げたルゥを、もう一度呼ぶステラ。
ステラ「る・ぅ・ですわ♪」
ルゥ「みぃ♪」
自分の名前だと理解したのか、嬉しそうにするルゥ。
オレも名前を呼んでみた。
フェイト「ルゥ?」
ルゥはこちらを向き、みぃ、と鳴いて飛びついてきた。
飛びついたルゥは、肩に乗った。
ステラ「フェイト様の事を親だと思っているのでは?」
また素の微笑み。
ステラにつられて、オレの顔にも薄く笑顔が出ていた。
フェイト「しかし、意外だな」
ステラ「何がですの?」
フェイト「お前もそんなふうに笑うんだな」
ステラ「な…笑っ…?!」
オレがそういうと、ステラは「しまった」と言わんばかりの顔をして、俯いた。
ステラ「わ、わら…わら……」
と、思ったら
ステラ「笑ってなどいませんわぁ~~っ!!」
突然叫んだ。
いやぁ…手遅れだって。
それもそんな必死になんなくったって…
フェイト「いや、明らかに今のは笑っ…」
ステラ「そんなはずありませんわ!わたくしが笑うなど、そんな事はあってはいけませんのですわぁ~!!」
その日本語の使い方は正しくないし綺麗じゃありません!
フェイト「言葉が変…」
ステラ「うるさいですわ、お黙りなさいっ!」
真っ赤になってワタワタするステラを、オレは楽しく眺めていた。
まるで妹をからかっているような気分だ。
ステラ「さらば!……ですわ!」
やっぱ「ですわ」は付けるんだな。
…………。
………………………。
今日の分のテストは終了し、明日で全員終了らしい。
オレは寮の自分の部屋にルゥを連れていくと、そのままベッドで寝た。
最近、学園に来てから間もないはずなのに
随分オレは周りの奴らに影響されている気がする。
………友人、か。
悪くないかもな………
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