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ガヤガヤガヤと…偉く賑やかな教室の中、一人俺は窓の外を見ていた。
もちろん友人なんか作ろうと思わない。
馴れ合いなんざ御免だ。
ムスッとした表情と、近付き辛いような魔力を発して出来る限り接触を避ける。
??「なぁ」
フェイト「………」
??「なぁってば!」
フェイト「!?」
身長、約190cm程度の大男。
驚いた。
まさかこんな状態の俺に話し掛けてくるなんて…
??「何をそんなに怒ってるんだい?」
フェイト「別に、怒ってるワケじゃないさ」
??「そんなんじゃ近寄りづらいよ?」
近寄りづらい?そんなレベルじゃない。
普通ならレジスト系の魔術か法術でも使わなければ魔力に充てられて吐き気すらも催す。
それをコイツは…
フェイト「関係ないだろう、話し掛けないでくれ」
??「僕はランドリーフ、ランドリーフ=グラビトス。でも、長いからランドって呼んでくれ、君は?」
人の話聞いちゃいない。
まぁ、名前くらいなら構わないか。
フェイト「フェイルナント、フェイトでいい」
ランド「真名は?」
なんて事を聞いてくるんだ、コイツは
フェイト「教えない」
ランド「なんで?」
フェイト「他人に真名を聞かれるのが危険だから」
ランド「…なんで?」
フェイト「知らないのか?」
待て、ありえないだろう。
こんなことは小等部で習うはずだ。
それを知らないなんて…
フェイト「ふぅ。…魔術、特に禁術の中には発動条件に真名を必要とするものがある」
ランド「ふんふん」
フェイト「そして、その魔術の威力は絶大で、人を呪い殺したり、消したりするのも容易なんだ」
ランド「へぇ~……。ん?待ってよ?ていうことは………っ?!」
突然ランドが青ざめた。
フェイト「ふぅ…」
本日三回目の溜息。
馬鹿か、コイツは…
禁術だと言ったばかりだろうに。そんなものを俺が知ってるワケが無い。
フェイト「心配するな。俺にお前を殺す理由は無いし、詠唱を知らない」
ランド「あ、そうか。よかった…」
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