序章・一「学園生活の始まり」

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心の底から安心したような表情をするランド。 本気だったのか…。 フェイト「だいたいお前、なんでこんなコトも知らないんだ」 さっきも言ったが、こんな事は小等部で習うし、それからも何度も教わるはずだ。 ランド「なんでって、…親から習う必要無いって言われたから」 …親から? 見捨てられてるのか? いや、それならわざわざスフィア学園になんか通わせないだろう。 …まさか、抵抗能力者(レジスター)? それが1番自然だな。 ………なら フェイト「我は呼ぶ、黄泉の毒蛾。きたれ」 誰にも気付かれぬように静かに毒の呪文を唱えた。 ランド「ん?なんだろ、い、…息苦しい、な」 どうやら違うらしいな。 フェイト「我は誘う、浄めの風」 ほっといても死なないだろうが、問題になると面倒なので浄化した。 しばらくするとチャイムが鳴った。 それまでも何故かランドはしつこく話しかけてきた。 教師「皆さん、早く席に着きなさい」 教師の一声で全員が席に着き、静まった。 教師「おはようございます、私が担任のアルベールです。アルで結構ですよ」 教師「今日の予定ですが…、軽い自己紹介と行こうと思います」 自己紹介…。 定番だな。 教師「ではまずは君から」 そう言って俺を指した。 何故だ。こういうのは出席番号1番からだろう。 教師「どうしたんだ?さあ、はやく」 とりあえず立ち上がる。 フェイト「フェイルナント。よろしく」 それだけ言って座った。 教師「もう少し喋ってくれると嬉しいんだが…まぁいいでしょう、では次」 フォルテ「俺はフォルテ。よろしく頼む」 どうやら今の紹介で調度いいようだ。 続いて… オルセル「オルセルだ。腕に自信があるヤツ、いたらオレの所に来い。いつでも相手になる」 随分と自信過剰なようで… さらにこの後も全員分の自己紹介が行われたが…聞き流した。 チャイムが鳴り、クラスの連中が教室を出て昼食をとりにいく。 ……俺は……、寝るか。 手頃な食い物を見つけ、屋上のベンチに寝転がった。 この学園の屋上は花壇があり、木も植えてある。いわゆる空中庭園ってヤツだ。 …………。 春の風が気持ち良い。 うとうとしてきたな… ………。 ……………。
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