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ん?
…なんだろうか、急に息苦しく…
フェイト「ん…ぐっ、ぶはっ!」
??「ひゃっ…!」
あまりの苦しさに跳び起きると、小さい悲鳴が聞こえた。
どうやら鼻を塞がれていたらしい。
??「び、びっくりしました…」
目の前を見ると、流れるような長い茶色の髪の少女。
誰だ?
フェイト「あんたは…?」
??「フェイト君…だよね?」
なんで俺の名前を…
見た事は…ない。
いや、クラスにいたか。
しかし、そうだとしても何故俺のショートネームまで知ってるんだ?
フェイト「そうだが…なんで俺のSN知ってるんだ?」
??「え?あ、覚えてないかな?」
フェイト「覚えてるもなにも、会ったのは今日が初めて…」
いや、待て。
どこかで見た顔だ。
確か、どこかの町の孤児院の……
フェイト「アミィ…か?」
アミィ「はいっ!思い出してくれた?」
フェイト「あ、あぁ。うっすらと」
そういうと、心底嬉しそうにアミィは笑った。
アミィ「フェイト君、お昼寝ですか?」
フェイト「あぁ、起こされたがな」
アミィ「あ、いえ。あの…ごめんなさい」
あせあせと必死に謝るアミィ。
フェイト「いいさ、調度いい時間だしな」
正直なところ寝足りない。
しかし、女の子には優しくしろってのは親父の教えだし。
フェイト「で、なんか用なのか?」
アミィ「あ、そだった!フェイト君、学園長がお呼びですよ?」
フェイト「学園長が?…わかった。でも何で放送で呼ばないんだ?」
ただ呼ぶだけなら放送で十分だろうに。
アミィ「放送なら三回したよ?」
……………。
フェイト「わかった。とりあえず行ってくる」
………。
……………。
フェイト「失礼します」
学園長「おぅ、来たか。フェイトよ」
フェイト「なんの御用でしょうか?」
まるでサンタクロースのように伸びたヒゲを手櫛で梳きながら答えた。
学園長「うむ。新入生実技実力テストをしようと思ってな」
テスト?
なんで俺を呼ぶんだ?
自分たちで決めればいいじゃないか。
学園長「まぁ、そういうな」
言ってない。
フェイト「それで、何故お呼びに?」
学園長「そうじゃそうじゃ。そのテスト内容、想像出来るか?」
テスト内容?ペーパーテスト、だろうな。
フェイト「筆記試け…」
いや、待て。実技実力テスト…って言ったな。
なら…
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