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フォルテ「そうか、オレは今日なんだ。まぁ見てろよ」
見てろだと?
コイツからは魔力がほとんど感じられない。
何を見てろっていうんだ。
フェイト「あぁ」
ま、返事はするんだけどな。
フォルテ「じゃあそろそろ会場まで行くか。一戦目始まるぜ?」
別に見たいわけじゃないんだがな。
フェイト「そうだな」
…………。
…………………。
一戦目…ランドリーフ。
あぁ、あの大男か。
確か初日に話しかけてきたやつだな。
フェイト「せいぜい頑張れよ、脳足らずさん」
………。
始めっ!
審判の合図とともにランドは前進した。
相手はゴーレム。生半可な魔術じゃ破壊は不可能。
ランド「面倒だよな。運動は苦手だよ」
そういいつつ、その巨体に見合った遅めのスピードで距離を詰め。
ズゥォオオオッ!!!
フェイト「っ!!?」
急に魔力が膨れ上がった。
普段から魔力を閉じ込めておくのは基本だが、開放したからってコンナに膨れるもんじゃない。
ランド「一発で終わらせる…ッ!」
ゴーレムが片手を引いて、殴ろうと構えたのと同時に、ランドも拳を構えた。
キィィイイイイ………
ゴーレム「オオオォォ……!」
ゴーレムが拳をランドに放った。さらにその拳に向けて、ランドの拳が放たれた。
ランド「メガ……」
……トン、と拳が触れ
ランド「プレッシャァアアーーッ!!」
そう叫ぶと、一瞬にしてゴーレムの全身は吸い寄せられるように地面に叩き付けられた。
観客は呆気にとられ、しばらく声を失った。
………。
ぅぉおおおおーーっ!!
と、一気に歓声が沸いた。
拍手喝采を浴びながら、照れ臭そうにランドは闘技場を出ていった。
フェイト「…やるな」
なかなか飛び抜けた実力を持っている。
フォルテ「そうだな。まったく予想外だったぜ」
……お前は強いのか?
弱そうだ。魔力をほとんど感じない。
フォルテ「次はオレだな。じゃ、行ってくるぜ」
随分とこの学園を嘗めていた。
まさかあんなヤツがいるとは……
序章・一「学園生活の始まり」
~完~
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