思い出満月

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「ねえ、して?」 おねだりするように、アタシの腕へしがみついてくる。 身長が、アタシと同じくらいなもんで、シルバの綺麗な顔がドアップです。 「ぃ、いやあ。昨日みたいにって言われても」 昨日は犬に…。 「きのうは、なでてくれたり…やさしかったのに」 犬は撫でたけど…。 「べんとーだって、はんぶんにしたじゃない」 「撫でたのも、お弁当半分して食べたのも、灰色わんことよ!」 なんでそこまで、知ってるのよ。 見られてたんじゃ、と言う焦りと恐怖に声が荒くなってしまった。 シルバを見れば、ポカンと開いたクチがなんともまぬけだ…。 「…わんこ?」 「そう。可愛い、わんこ!」 「わんこ、じゃなくて。オオカミだよ」 「え?」 …オオカミ? .
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