思い出満月

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明け方。 ようやく、ビルの合間から太陽の陰が覗き始めて、朝早い鳥達がさえずりはじめる。 カタン 小さな音にゆっくりと意識が浮上する。 ぼんやりと目についた、カーテンから溢れる光に目を向けてると アタシの布団の中へ、暖かいものが潜り込んできた。 「ただいま…」 その暖かいものが、アタシの腕に頬擦りしながら声をかけてくる。 「おかえり…今、昔の夢…見てた気がするよ…」 「昔?」 三年前は本当にビックリした。 久々に来たお客様に、コンビニ弁当半分を振る舞い 薄汚れた毛波にクシを通し なついてくれたのが嬉しくて、ついつい布団に招き。 温もりを共有しあって共に眠りについた。 までは、よかったのね? 問題は朝だったのよ朝! 動物嫌いの管理人が来たとか…そうゆうレベルじゃなかったわ。 あ、いや。管理人も来た気がするけど…。 そう、三年前の満月の夜。 犬を拾った翌朝… .
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