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三年前の満月の翌朝。
目覚めると、視界に移る灰色の毛波。
昨日ブラッシングしたのを思いだして、再び髪の束に指を通せばサラリと流れるソレ。
朝起きて、隣に温もりがあるって素敵…だなんて、夢見心地に考えていたのだけれども。
触っていた温もりが、動いて。自分から、身を寄せてきてそれで異変に気付いた。
昨日の犬…のはずなのに。
あれ?
寝たときはアタシがだっこしてあげてたのに
なんか
アタシがだっこされてる気がする。
すっぽり、と温もりに包まれてるアタシ。
…誰?
急に怖くなって、ガバッと勢い良く飛び起きた。
『きゃあああああぁぁ』
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