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胸がどきどき?
胸がいっぱい?
復唱するように、頭の中でグルグル回る言葉。
「マキコと一緒にいるようになってから…変、なんだ…」
自分はきっと、病気なんだろうと考えてるに違いない。
喋るシルバの肩がうつ向き、声が小さくなっていく。
「苦しくなってチクチクする」
ああ。
アタシも同じ…。
帰ってしまうシルバ。
胸がどきどきして
いっぱいになって
帰ってしまうことを考えるとチクチク苦しい。
同じ。
だと、喉元まで出かかった。
言ってしまえば楽になるかもしれない。
でも、伝えても人間と、狼男。
葛藤、って言うのはこうゆうのを言うのか、と。
向き合ってるのに、下を向き床を眺めている二人。
その気まずい雰囲気に、と言うか…
『それでは、卒業生、退場!』
『現地集合、現地解散!これ鉄則ナリ』
卒業式に、カラス達の声が終止符を打った。
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