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「えっ、嘘…」
こんな急に式が終わるとは思って無かった。
下を向いていた顔をあげると
カラス達がホール天井付近を旋回して、卒業生退場!と繰り返し叫んでいる。
「シルバ…」
「帰らないと」
「…うん」
シルバはまだ自分の胸を押さえている。
「それ…一回お医者様に見てもらったほうがいいよ」
うん。
これで、良い。
突き放してさ
嫌われてさ
これから会う事も無いんだから
忘れてもらったほうがいい。
アタシも、忘れることにする。
長い、長い夢をみた。
やっと、普通の暮らしに戻れるんだよアタシ。
良かったじゃん。
「うん。お医者様にみてもらう」
シルバは素直に頷く。
カラス達の声に、白ばばさまもシルバの元へやってきた。
「お別れは、済んだかい」
しわくちゃの顔がこっちを向いて問う。
アタシを見てるのか不明だったけど、小さく頷き肯定した。
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