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「あ、あははは」
青年は笑うしかなかった。
昨日まで「ない、僕の戦利品の証がない!」と探し回っていた物が、まさかこんな形で見つかるであろうとは。
「せめて一度だけでも、幼女の生ぱんつ見たかったなぁ」
目の前に突き付けられた怪物の巨大ハサミ。
しかし、そのハサミを一向に突き刺そうとはしない怪物。
どうやら、死を間際にした青年の反応を楽しみたいのであろう。
当の青年はというと、このまま潔く死ねれば男らしいのであろうが、生憎、未練たらたらであった。
「そーいえば、あずさちゃんルート攻略し損なってたなぁ。他にも――」
「きゃああぁぁあっ!」
「……ふう。僕って末期かな? こんな状況なのに、上の方から幼女の悲鳴が聞こえるなんて」
――その瞬間、疑似スーパー賢者タイムに突入していた青年の思考回路に電気信号が走る。
もしかして、ライフカードの中に召喚系のカードが紛れてたのではなかろうか。
青年は慌てて手元のライフカード全てに目を通すが、淡い期待虚しくどのカードにも書かれていたテキストはやはり『整理券』のみであった。
手元に使えるライフカードない! 僕の目の前は真っ白になった。
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