第一話「その日、僕の目の前は真っ白になりました」

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  「あ、あははは」  青年は笑うしかなかった。  昨日まで「ない、僕の戦利品の証がない!」と探し回っていた物が、まさかこんな形で見つかるであろうとは。 「せめて一度だけでも、幼女の生ぱんつ見たかったなぁ」  目の前に突き付けられた怪物の巨大ハサミ。  しかし、そのハサミを一向に突き刺そうとはしない怪物。  どうやら、死を間際にした青年の反応を楽しみたいのであろう。  当の青年はというと、このまま潔く死ねれば男らしいのであろうが、生憎、未練たらたらであった。 「そーいえば、あずさちゃんルート攻略し損なってたなぁ。他にも――」 「きゃああぁぁあっ!」 「……ふう。僕って末期かな? こんな状況なのに、上の方から幼女の悲鳴が聞こえるなんて」  ――その瞬間、疑似スーパー賢者タイムに突入していた青年の思考回路に電気信号が走る。  もしかして、ライフカードの中に召喚系のカードが紛れてたのではなかろうか。  青年は慌てて手元のライフカード全てに目を通すが、淡い期待虚しくどのカードにも書かれていたテキストはやはり『整理券』のみであった。  手元に使えるライフカードない! 僕の目の前は真っ白になった。  
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