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はは、某モンスターゲームのしすぎだね……あれ? 〝真っ白〟だったっけ?
青年の思考がそこまで辿り着いた時、不意に疑似スーパー賢者タイムが解けてしまった。
気が付けば、自分の頭が地面に叩きつけられており、鼻を中心に顔全体に負荷が掛かっている。
そして視界を覆う景色は真っ白であり……何よりその顔に乗っている物が、非常に柔らかかった。
もしかしたら、あの怪物がしびれを切らして止めを刺そうとしてるのかもしれない。
それともすでに命果て、天に召されてる途中なのかもしれない。
もう、どうでもよくなった青年は、顔に乗ってるものを払うように顔を動かした。
「ひぅっ」
……あれ?
青年の耳に入ったのは、幼女らしき娘の(喘ぎ)声。
ああ、近くに病院はないだろうか。
視覚といい聴覚といい、何もかもが不可解極まりない。
これが死と言うものなのか――と実感のない死を受け止める青年。
だが、自身の死がまるで他人事のように感じる自分に、それ程までに冷めた人間だったのかと思い知らされ悲しくなった。
――とまあ、どれだけ物思いに耽ようとも、先程まで発動していた賢者タイムの負担が大きいため、これ以上思考することを中止。
とりあえず、青年は残りの五感が正常なのかを確かめる為、くんかくんかしてみた。
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