思い出

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僕には、親父と、婆ちゃんと、二人の姉が居るんです。 正直、貧乏だったけど、可愛がられて育ちました。 親父は、本当にどうしようも無く飲んだくれで、ほとんど夜居ない。 婆ちゃんの事を、三歳か四歳位までお母さんだと思ってましたね。 「婆ちゃん、婆ちゃん」と言いながら、(もしかしたらお母さん?)って、どこかに淡い期待をしていたのを覚えてますね。 姉は上が十歳、下が八歳年上でしたから、本当に可愛がられましたね。 今思うと、一番被害者だったのは二女だと思うんですよね。 相当ぐれましたから。 不良になってしまうのは、完全に家庭環境でしょう。 皇室からは絶対不良は出ないでしょ? それから感受性が強い人はぐれてしまいますね。 誰かに、同情されたくない。 普通の子と居る限り、ギャップは付いて来ますから。だから、似たような環境の子供は集まって、殺気立つんですね。 (来るな) (近寄るな)って。 僕は、ぐれませんでしたね。 怖かったからかな。 ん~、待ってたのかな? とにかく、不良にだけはなりたくなかった。 降参するみたいで。 絶対、嫌だったな。
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