2.生きる者、死にゆく者

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 特に将来の夢もなく、高校の進路希望調査には白紙で出していたくらいだ。  ここで一発当てておけば、この先の人生イージーコース。何もせずに食っていける。  もしかしたら、これからそうなるのかもしれない。 「おい」  そういう意味では今が人生を変えるチャンスなのでは? 「止まれ」  そんな考えを巡らせ砂を見ながら呑気に歩いていると、突然前の猿にぶつかってしまい、秋也は我に返った。 「!?っ……」 「ナメとんのか、われ。止まれって言っとんだろ。脳天ぶち抜いたろか」 「す、すみません」 (あれ? なんで俺、敬語使ってんの?) 「気ィつけんかい。まぁよかろ。で、200メートル先に人間を発見した。これからワシはコンタクトに入る。お前は」  猿は銃を取り出し、もう片方の手で秋也を指差して言った。 「人質や。ワシの5メートル後ろを着いて来い。逃げようとしたら殺す。ワシに危害を加えようとしたら殺す。不審な動きをしたら殺す。命令以外の行動をしたら即、殺す。わかったか?」
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