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特に将来の夢もなく、高校の進路希望調査には白紙で出していたくらいだ。
ここで一発当てておけば、この先の人生イージーコース。何もせずに食っていける。
もしかしたら、これからそうなるのかもしれない。
「おい」
そういう意味では今が人生を変えるチャンスなのでは?
「止まれ」
そんな考えを巡らせ砂を見ながら呑気に歩いていると、突然前の猿にぶつかってしまい、秋也は我に返った。
「!?っ……」
「ナメとんのか、われ。止まれって言っとんだろ。脳天ぶち抜いたろか」
「す、すみません」
(あれ?
なんで俺、敬語使ってんの?)
「気ィつけんかい。まぁよかろ。で、200メートル先に人間を発見した。これからワシはコンタクトに入る。お前は」
猿は銃を取り出し、もう片方の手で秋也を指差して言った。
「人質や。ワシの5メートル後ろを着いて来い。逃げようとしたら殺す。ワシに危害を加えようとしたら殺す。不審な動きをしたら殺す。命令以外の行動をしたら即、殺す。わかったか?」
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