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「……はい」
「よし、行くぞ」
動き出す猿。秋也は言われた通り5メートル間隔を開け後を追う。
色々とおかしい。
とりあえずハイとは言ってみたものの、突っ込み所が多すぎる、と秋也は思った。
まず、200メートル先の人など見える訳がない。
一応自分の目で確認してみたものの、結果は語るまでもなかった。
一体この猿はどんな視力を持っているのか。
そして異様に出てくる殺すという言葉。
少し前まで世界中に名が知れ渡るなどと呑気なことを考えてた自分が恥ずかしくなる。
人質……か。
銃を持った奴(猿にだが)の人質にされている。
映画でよく見るような光景に実際に自分が陥っているのに、やけに落ち着いているのは、やはり“猿”という部分が非現実的すぎるからだろう。
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