2.生きる者、死にゆく者

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「おい、人間」  しばらく前進すると、猿が秋也のことを呼んだ。 「はい」 「20メートル前まで来た。ちょいとお前が行って、生きてるかどうか見て来てみィ」 「は?」  前方を見ると、確かにうつ伏せで倒れてる人の姿があった。  白いシャツに黒いズボン。秋也の今の格好と全く同じだ。  見覚えのある制服。間違いない、あれは秋也の高校の生徒だ。 (まさか……!)  思わず駆け出す秋也。  知り合いかもしれない。その思いが、秋也の走る原動力となった。 「おい!大丈夫か?」  そのとき倒れている人がピクリと反応し、頭をこちらに向ける。 「その声……秋也か?」 「り、リキ!?」  見覚えのある友人の顔に、秋也は驚きの声を上げる。 「リキじゃないか!どうしてここに!?」
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