2人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、人間」
しばらく前進すると、猿が秋也のことを呼んだ。
「はい」
「20メートル前まで来た。ちょいとお前が行って、生きてるかどうか見て来てみィ」
「は?」
前方を見ると、確かにうつ伏せで倒れてる人の姿があった。
白いシャツに黒いズボン。秋也の今の格好と全く同じだ。
見覚えのある制服。間違いない、あれは秋也の高校の生徒だ。
(まさか……!)
思わず駆け出す秋也。
知り合いかもしれない。その思いが、秋也の走る原動力となった。
「おい!大丈夫か?」
そのとき倒れている人がピクリと反応し、頭をこちらに向ける。
「その声……秋也か?」
「り、リキ!?」
見覚えのある友人の顔に、秋也は驚きの声を上げる。
「リキじゃないか!どうしてここに!?」
最初のコメントを投稿しよう!