2.生きる者、死にゆく者

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 有り得ない。  これが秋也の出した結論だった。  動物が喋ったり銃を使ったりするなんて、有り得ない。  しかし、これは夢ではない。  だとしたら、ここはどこなのだろうか?  もし喋る猿なんて生き物が存在していたら、世界中で大騒ぎになっているはずだ。  テレビでニュースになったりもして秋也の耳にも入って来るに違いない。  逆に考えれば、秋也が人類で一番最初にこの生物と出会ったのかもしれない。  だとしたら儲けものだ、と秋也は呑気に考えていた。  この常識をひっくり返した生物の第一発見者として世界中に天野秋也の名が知れ渡るだろう。  それも悪くない。  むしろ、全然いい。大歓迎だ。
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