ACT 1

8/13
前へ
/77ページ
次へ
「や、やめてくれ!!」 先ほど少女を襲おうとしていた男の1人が血塗れになり、何からおびえるように逃げている。 その男の後方から、 ズルッズルッと何かを引きずるように追いかけるものが。 その音は思いのほか早く、すぐに男の真後ろにまで迫っていた。 「……待てよ、俺が何をしたって言うんだよ!! てめえに殺されるほどの恨み買った覚えは……」 ザシュッ!! 肉を食いちぎられるような音が響く。 シャワーのように赤い鮮血が降り注ぐ。 「ギャアアア!!」 男の二の腕の肉がえぐられていた。 「ニク……ニンゲン……」 その何かは言葉を発し、なお男に迫る。 男にしがみつき、再びくらいつこうとした。 しかしその時。 ガツッ!! 鈍い石の当たるような音がする。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加