ACT 1

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「……ビルに置き去りにされたマネキンが魂でも持ったみたいね…… まさか人間の肉や心臓を喰えば、人間になれるとでも考えたのかな?」 闇から聞こえる女の子の声。 やがて闇からその姿が映し出される。 「あ、あんたは……?」 少女は息も絶え絶えの男を睨みつけ。 「あんたも何もしてないとかよく言うわ…… あたしへ何をしようとしたのかしら?あれ十分トラウマになってますから」 「俺は何もしてねぇよぉ、未遂だったから勘弁してくれよ」 少女は冷めた目で男を見る。 フゥっとため息をつく。 「自業自得……とはいえ他の数人は残念だったわね……あんたは運がいい」 少女はマネキンに食い荒らされた男の仲間達の死体を見ていた。 みな同じように心臓がえぐり取られていたが。 「……マネキン…… あなたが最近の連続失踪事件の犯人ね?」 目のついていないマネキンの顔が少女を睨みつける、口のついていない顔がギギギと鈍い音をたてながら首を曲げ、マネキンの化け物が喋り出す。 「……ナニガワルイ? ワタシハ、ワルイヤツダケヲクッテイルダケダ、ワタシニカンシャシロ!オマエモオソワレタダロウ」 マネキンの口がないせいか、その声は酷く籠もっていて聞き取りづらい。 それ以上に少女は驚いていた。 「驚いた、ここまで自我が発達してるなんて……でも、これ以上はあんたのためにならない、あんたの魂を救うためにも浄化してあげる」
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