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マネキン達は少女を捕らえると、その着ている服をやぶきはじめる。
黒のタイツはずたずたにされ、赤いスカートも、タートルネックの白いシャツも破かれ、着ている下着が破かれた服の隙間から見える。
「……ったく、服をこんな風にされたらどうやって家に帰れば良いのよ?」
少女は溜め息をはくと同時に目を閉じる。
一瞬の時が流れると、彼女の額が光の輪で輝き出す。
「ハア!!」
少女が激しく気合いを込めると、彼女を捕らえていたマネキン達の腕や足が吹き飛んだ。
それと同時にマネキン達を操っている白い糸も断ち切られている。
「……ナニ!?」
すべてのマネキンがマネキンに帰り、その場に音を立て崩れ落ちる、元凶のマネキンに少女が指を指す。
「あんたはマネキンの変化じゃない、あんたは長い年月を過ごし者を操る力を得た女郎蜘蛛!」
直後マネキンの口のない顔が動く。。
カタカタと動き出し、口の部分が割れ、その割れ目からうごめき出てくるものがあった。
そこから出てきたものは人の頭ほどでもあろうかという巨大な蜘蛛。
蜘蛛から光る8つの目が少女を捉える。
赤く光る牙を滑らせ、吠える。
「……ジャマヲスルナァ!!」
蜘蛛は信じられないほどの速度で少女にその牙を付き立てようと襲いかかる。
少女は掌を顔の前にかざす。
「悪いけど、死んだほうがマシなクズはいっぱいいるだろうさ、けどねそんなにあんたの肩を持ってやれるほど今の世界は甘くないんだよ!」
少女の掌が赤く光り、光の棒が現れた。
「魔を浄化しろ如意棒!」
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