プロローグ

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「702便発進します」 午後3時、福岡空港を飛び立った一機の旅客機。ぐんぐん上昇してゆき雲を超え、10000メートルに達した。 彼らの行く先は北海道の新千歳空港。 乗客およそ二百人を乗せてのフライトだ。 天気は良好。 多少の雲は浮かんでいるが、その風景も情緒があり美しさを醸し出しているようだ。 今はクリスマスシーズン、連休でこそ無いがスキーや冬の北海道に遊びに行くものも多く、若い男女の姿が多く見られる。 そんな彼らを乗せた飛行機は高度が安定し、シートベルトを取り外せる許可がおり、アナウンスが機内に流れる。 コックピットでも。 「後はオートだから楽なもんだな」 「いえ……自分はまだ三回目のフライトですので緊張が取れません」 「ははは、リラックスしろ楽しいもんだろ空の旅も、今日はいい天気だ、視界が良好で見晴らしも素晴らしい滅多なことがなけりゃ何も起きん」 「確かに、それもそうですね」 機長は副機長の緊張をとるために冗談を交え会話をしていた。
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