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男たちはざわめく
少女の言葉にカチンときたのか、
男達は懐からナイフを取り出した。
鈍く光る切っ先が彼女に向けられる。
「こらこら、女の子がそんな言葉を使っちゃいけないな……大人しくしたほうが懸命だと思うけどな、それとも体に傷をつけられても良いのかい?」
「……めんどくさい……」
「いい子だから、お兄さん達の言うことを聞きなさい」
「……言うこと?」
「今から服を脱げ、天国を見せてあげるからさ」
「……はあ……馬鹿丸出し
やっぱりそんなことね……
あんた達みたいな奴らの考えることはみんなだいたい一緒だわ……女を見るとやることしか考えていない」
少女はため息混じりにぶつぶつと呟きだした。
「おい、ぶつぶつ言ってないでさっさとしろ!」
「ハイハイ、これでいい?」
バサッと男に少女が脱いだコートが覆いかぶさる。
「てめえ!!」
男はすぐさまコートを払いのけてナイフを少女に向けなおす、
しかし、そこには少女の姿はなく聞こえてきたのは。
「ぐえっ!!」
男の仲間達の悲鳴。
男が振り返ると、少女にのされた男達が転がっていた。
「よっわ、粋がって女をナンパするんならもう少し鍛えたらどう?こんなんじゃ雌の豚でも引っ掛けられないじゃない?」
「な、何だお前?」
「後はあんただけよ?
こいつら連れて帰るか、それともあたしへの強姦未遂で警察に捕まるか……
どっちがいい?」
少女はニッコリと男に微笑んだ。
男はうろたえて何歩か後退りする
男は少女の後ろに転がった仲間を一瞥し
男はのされた仲間を見捨てて一人その場を立ち去って行った。
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