3人が本棚に入れています
本棚に追加
とか言って、ずっと部屋に引きこもるのは身体に悪い。
今の恰好からして、多分外には行けると思う。
カチャリと恐る恐る部屋の鍵を開ける。
人気がないのを確認し、音をたてずに廊下を歩いた。
俺の家は、父親がいない。
いるのは母親と妹。
けど、妹は病気がちで病院に入院している。
生れつき心臓が弱く、少しでも激しい運動をするとすぐに倒れてしまう。
昔から家族を心配させていた存在だった。
はっきり言って、俺は母親が嫌いだった。
初めから女しか産む予定がなかったらしく、俺には興味はなかった。
だから妹ばかり愛情を注いでいた。
別に俺はそれでもよかった。
"あの日"がくるまえまでは。
久しぶりの外は少し肌寒かった。
もうすぐで夏なのに。
多分、曇っているせいだと思う。
俺は車庫からチャリを出すと、またがり友人のもとへと走り出した。
最初のコメントを投稿しよう!